レポート・釣行記   リストへ戻る

MASAHIRO'S LUCKY LURES 始動の巻 2013年2月17日 自宅にて
天候:曇りのち晴れ


先日、ポッパーの注文をいただいたので、とりあえず10個作ってみました。




これらは、すべて例のコンピューター設計による発泡ヘッドのポッパーです。

WP(West's Popper)も、これまではフォームで作っていたのですが、

コンピューターでやってみたら、すこぶる軽量に仕上がりました。



中がこんなふうに空洞になっているので、そりゃ軽いわけです。

こんな小さなボディでもコンピューターで設計すれば、

正確できれいな中空構造をデザインできるというわけです。


そしてこの空洞にラトルボールを入れると、

そりゃもうチリチリチリーっと、すこぶる繊細なラトル音を発します。


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ペックのフェザーミノーを意識したWP-0703R(パールホワイトカラー)

ちなみに品番はWP⇒モデル名、0703⇒カラーコード、

末尾にRと付くのはラトルタイプ、Lがラバーレッグタイプとなります。

ラバーレッグをつけると、チャンバー内部をラバーが貫通するので

音が悪くなるため、どちらかの仕様にしています。


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こちらはQB-0101L

クィーンビーのブラック、ラバーレッグ付きです。

前面のカップは一つ一つ手で塗ってます。

大変手間がかかりますが、じつは昔の実在したポッパーも

カップは手で塗っていたと思われるものがたくさんあります。

例えば、これ。

ロイドイーザーマンのP-102
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完全手塗り。これはスゴイ。


ちなみにロイドイーザーマンという人が、どういう人なのか、

その後、調べていたのですが、

ほとんど参考になる資料は見当たりませんでした。

ただわかっていることは、

カリフォルニア州クリアレイクに住んでいたバスフィッシャーマンであり、

職業は建設作業員だったということ。


ハシゴから落ちて、仕事に行けなくなり、

家でバスバグやポッパーを作り始めたところ、評判になり、

そのまま好きなことを仕事にしてしまった人です。


この話、ボクはすごく好きなんです。

人物自体はよく知らないけど、好きなことへのコダワリというか、

熱い情熱を感じるんですね。


いまの時代でも、さもありそうな話でしょ。

面白くもないサラリーマン生活、ただお金のために会社に行く。

人生は我慢だ!っとばかりに

ひたすら我慢してそこに自分の価値を見出すしかなくなっていたり、

やりたいことは我慢して

自分を抑圧して一生を終えるサラリーマン人生。


それが果たして立派かどうか?

それが立派なことなら人生は単なる我慢大会になってしまう。


オレはそんな人生は嫌だよと、

実はみんな思っているに違いないのです。


しかしそう思いながらも、ボク自身、

25年もサラリーマンをやってしまいました(笑)


そう思っていても、実際は好きなことを仕事にできない。

それが現実というものなのでしょうか。


ただ、ひとつだけ言えることは、

ボクは人生において我慢はしないほうが良いと思ってます。


"我慢"はせず、"努力"をすべきと人には言います。

我慢と努力はともすると一緒になってしまうのですが、

じつはまったく違う言葉なんです。


努力には意志と情熱があると思います。

こうなりたいとか、こういうものを作りたい等、

自分の意志で頑張っている状態。それが努力というものです。


それに対し、我慢と言うのは、単なる苦痛でしかない。

もはやサラリーマンの仕事が単なる苦痛になってませんか?

そういう状態を続けていて、いつか幸せになれるなんて保障はどこにもない。


こんなことを書くと、じゃ、大田さん、会社辞めるんですか?

と言われそうですが、実際辞めたら食べていけない。

でも実はボクは、もうすでにその手の行動を何度か起こして今に至ってます。


今までで一番大きな行動というのは、

何を隠そう、釣りがしたくて野池の多い香川に移り住んだことでしょう。

「バスバギングは楽しい。コレができるところに住んで一生やり続けよう。」


最初にそれを決意したとき、

周囲からは「おまえアホか?」と言われました。

でも今になって思えば、それをやっていなかったら、

ボクは絶対後悔していたと思います。


自分の意志で決めたことというのは結果がどうであれ、

じつは後悔しないものなんですね。


要するに人生はチャレンジ=行動です!

自分の意志で何かをやるとき、初めて何かを得られる。そういうものなのでしょう。


よく東京の釣り友達から、「大田さんは釣りがたくさんできてうらやましいですね」

と言われることが多いのですが、

そんなとき、ボクはこう答えてます。

「じゃ、君も住めば?」


日本国内であれば、住むところは自分で自由に決められるんですよ。

住みたいところに住めばいいんです。


家族の同意が得られないとか、仕事がないから......

なんていってるうちにあっという間に50歳60歳になって死んでしまうのですよ。

人生は短い!

バスバッギングは二生費やしてもやめられない釣り!

だから悔いのない釣り人生を歩みたいものです。




ということで、年を取るとどんどん理屈っぽいことばかり考えるようになり、

話がずいぶんといらぬ方向に飛んでしまいましたが、元に戻すと

上の写真は左がゲインズの1970年ごろのバスキング

右が2013年現在のボクのQBです。

雰囲気似てるでしょ。

実はゲインズのカップも手塗りなんですよ。


塗装を必要以上に厚くコーティングすると、

なんだかいやらしく感じるのはボクだけでしょうか?


要するに重くなっては動きが鈍くてダメなんです。

あくまでこれはバスに食いつかせるためのベイトなんですから。

眺めるものでも飾るものでもない。


そうなると塗装の処理も必要最低限となり、質感も当時モノと必然的に似てくる。

QBの最終製品重量は1.3g以下に設定してます。

ブーンのQBはなんと1.7gもありましたから、

QBは0.4gも軽量化できているわけです。


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QB-0607R ラトルタイプ

同じQBでもラトル入りでエアブラシで軽くカップを吹いてます。




そしてこちらが新作のMFシリーズ。

バックテイルヘアーをレッグに用いた、よくあるフロッグポッパーです。

これもラトルが入っています。


ナリーズフロッグとは異なり、全体的に平たい形状にデザインしています。

このほうが姿勢が安定するんです。


フックにはマスタッドの33903を使っていて、

本来はスナッグガードを取り付けて使用しますが、

写真では取り付けをしていません。

取り付けた状態でパッケージするとループがよれて

使い物にならなくなるので、敢えて取り付けていないのです。

今後は自分で付ける様に、パッケージにループを

同封できたらいいなと思ってます。



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HB-0303&0607

そしてこれがボクのバスバグです。

近年ヘアバグはこのタイプしかボクは巻いていません。


今はコルクでさえも貴重な天然資源と言われる時代ですから、

鹿の毛なんて、実はとんでもなく貴重な天然資源なんでしょうね。

どうも最近ハックルとならんで獣毛も入手困難になっているような

気がするのですが、気のせいでしょうか?


ヘアバグはその構造上、とても軽く作ることができます。

綺麗に作るコツは、もちろんテクニック的なところもありますが、

案外重要なのが鹿の毛自体の状態です。

太くて長いモノが向いていることは間違いないのですが、

そういうバスバグ向きのものばかり手に入るかと言うと

なかなかそうも行きません。


なのでボクは、人に渡すために作る場合は、

"毛の太さを揃える"ということをします。

つまり、フレアさせるディアヘアの束には長い毛も短い毛も入っているんです。

それをできるだけ長い毛だけにして短いのは取り除いてしまうわけです。

もったいないと言えばもったいないですが、

太く毛の断面が均一にそろっているバスバグというのは、

本当に美しいものなんです。

ボクはバスバグのデキこだわるとしたら、もうそこに尽きると思います。

毛の断面が太く均一にそろっているバスバグ!

これがボクにとっての最高のバスバグなんです。



最終的には、こうやって昔ながらのセロハンで包装して出荷します。

出荷と言っても短時間で大量に作れるものではないので、

今後も、あくまで受注生産です。

ほしい方がいれば製作しますので以下までメールください。

chartreusepopper@i.softbank.jp


では、春に向けてそろそろ釣りの準備でもしましょう!


おわり


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